サントリーニ島について
サントリーニは、南エーゲ海に浮かぶキクラデス諸島の島々の一つです。島のブドウ栽培地域は約1,400ヘクタールで、海抜から始まり、場所によって150から250メートルのカルデラまで段々畑のように上がっています。
土壌は、火山灰と軽石が混ざったもので、島の全長にわたって、マグネシウムや鉄からなる大小の岩石や、大小の溶岩が堆積していますが、これらはすべて火山性のものです。軽石(小から極小の多孔質石から成る)は、地表からかなりの深さまで広がっています。
サントリーニの土壌は砂質で、厚さ40メートル以上の層があり、約3600年前のもので、半結晶質の石灰岩と片岩からなる下層の影響を受けません。マグネシウムと鉄からなる大小の岩石が大量に存在することが、サントリーニの土壌の特徴を決定付けています。これらの地層は土壌をカルシウム、マグネシウム、鉄で豊かにし、異なる水分含有量を持つ土壌を作り出しています。
サントリーニ島の土壌は、有機物の含有量が非常に少ないのも特徴です。窒素、リン、その他ほとんどの微量元素の含有量も同様です。粘土が少なく、砂が93〜97%と非常に多いため、フィロキセラという害虫にとっても過酷な環境を作り出しています。フィロキセラは、前世紀に世界中のブドウ栽培地の大部分を根絶させましたが、サントリーニ島はその害から逃れることができました。
サントリーニのブドウ栽培地域は古く、品種も古代にさかのぼります。先史時代の都市アクロティリの発掘で見つかった考古学的な発掘物は、紀元前17世紀頃からティラ(サントリーニ島)にブドウ畑があったことの明確な証拠となるものです。しかしこの先史時代のブドウ栽培地は、紀元前1620年ごろの火山の大噴火で破壊されてしまいました。その後、紀元前1200年頃に島に再び人が住むようになり、新しい火山性の土壌にブドウ栽培地が復活しました。サントリーニ島のブドウ栽培地は3000年の歴史があると言っても過言ではないのです。今日まで途切れることなく栽培され、ブドウとワインは島の経済、社会、文化生活の中核を担っています。
ワイナリーについて
サントリーニ島にある新しいワイナリー「カナヴァ・クリッソゥ-ツェレポス」は、アルカディアにある同名のワイナリーのオーナー、ヤニス・ツェレポス氏とサントリーニ島のクリッソゥ家の協力により生まれました。
この事業の原動力となったのは、ヤニス・ツェレポスのワイン生産活動に関する新しい挑戦への果てしない探究心と、ピルゴス、エンポリオ、メガロホリにある12ヘクタールの私有畑を活用して古いカナヴァを復活させたいというクリッソゥ家のヴィジョンでした。
2013年のヴィンテージ以降、伝統的な手法で多年生のブドウ畑を復活させる取り組みが行われ、現在に至っています。これらの努力は、1ヘクタールあたり3〜3.5トンの収量を回復させることによって、ブドウ畑を存続可能な状態にすることに重点を置いています。このプロジェクトは、サントリーニ島の特殊な条件とポテンシャルを生かした高品質で高価値のワインを提供することを目的としているため、最終的な目標は、生産されるブドウの品質を最適化することです。